こうした滝沢氏の戦略が大当たりしたのが、旧ジャニーズ時代に手がけたSnow Manだった。ジュニア時代のSnow Manは「職人集団」と呼ばれるほどの実力派ぞろいだったが、どこか地味な印象があり、長い下積みを余儀なくされていた。彼らを可愛がっていた滝沢氏は何とかグループをデビューさせるため、テコ入れとして当時別のユニットで活動していた目黒蓮、ラウール(当時は村上真都ラウール)、関西ジャニーズJr.の向井康二の加入を決定し、9人組として再編成した。

 当時は6人組時代のファンから強い反発があったが、デビュー後に目黒が俳優としてブレイクしたことでグループの人気と知名度が跳ね上がったことなどを考えても、滝沢氏の戦略は「大正解」だったといえるだろう。

 旧ジャニーズから多くのタレントが移行した「STARTO ENTERTAINMENT」では、単独公演でアリーナを満員にするようなジュニアのユニットですら何年経ってもデビューできず、有力なジュニアメンバーの退所が相次ぐという事態が起きている。それと比べると、わずか数カ月でデビュー間近にまでこぎ着けられるTOBEは、メンバーたちの意欲の高まりが期待できそうだ。

 同じ旧ジャニーズから派生したTOBEとSTARTO社だが、デビュー前の若手の扱いにおいては滝沢氏が一枚上手といえるのかもしれない。