探偵における「嘘が見抜ける」という一見メリットしかない能力において語られるそうした真理は、短所や持病、障害に悩む人たちにも共通するものでしょう。
このドラマでは、その能力を振りかざさない慎ましさによって登場人物の感情に普遍性を獲得しています。「嘘を見抜ける」というトンデモ設定を、人が当たり前に抱えるそれぞれの悩みや苦悩に落とし込んで共感を呼ぶことに成功している。
ところで、「メロメロ」という言葉は江戸時代の浄瑠璃では「めそめそ」に当たる表現として使われていたそうですね。それが明治に入ってからは、炎が燃える「めらめら」に転じたのだそうです。それが、人に夢中になる現在の「メロメロ」になった経緯はまったくもってよくわかりませんが、「めそめそ」が「めらめら」になって、自分自身に「メロメロ」になれるような、そんな人生になったらいいですね。今回はそんな感じで。
(文=どらまっ子AKIちゃん)