2人して、男に謝罪する少女探偵団。男は笑って許してくれましたが、鹿乃子は自分の「嘘を聞き分ける能力」が冤罪を生む可能性に思い当たり、その能力が人を傷つけてきた過去を思い出してひどく落ち込むのでした。
一度は能力を封印し、ひとりで生きていくことを決意した鹿乃子。そんな鹿乃子を丸ごと受け入れてくれたのが、この町の探偵・左右馬でした。しかし、「嘘を聞き分けることができる私だからこそ、見えないものがある」と悟った鹿乃子は、探偵助手の仕事を辞めることを決意します。
ひっそりと左右馬に別れを告げ、ひとり川べりに座り込む鹿乃子。そこに般若の面をかぶった左右馬が現れます。
「般若の顔は嫉妬と恨み」とか言いながら、鹿乃子が昼間、あんみつを食べていたことにひとしきり悪態をついたあと、話を聞いてくれる左右馬。鹿乃子は改めて、能力によって人を傷つけたくないから、探偵助手の仕事を辞めると言います。左右馬は「わかった。君は僕のところ以外で働いた方がいいのかもね」と言ってその場を去りますが、鹿乃子には、その左右馬の言葉が嘘であることがわかってしまいます。そして、左右馬が鹿乃子に見破られることをわかった上で、この嘘をついたことも。
追いすがる鹿乃子を、左右馬は優しく諭します。
「ほらね、人を傷つけるのがそんなにつらい人が、傷つく人を放っておけるはずないよ。観念しなさい」
「あのね、嘘が分かる君に見えないものがあるなら、嘘がわからない僕には、それが見えるんじゃない? だから、一緒にいればいいんだよ」
めっろ。
■能力を振りかざさない慎ましさ
噓が分かるという探偵にとってこれ以上ないチート能力を登場させながら、このドラマはその能力が決して万能ではないということを念入りに語ります。
人にはない能力や個性がおおむね有益ではあったとしても、ときに人を傷つけることもあるし、自分自身が傷つくこともある。それでも、鹿乃子は「嘘が分かってしまう」という能力から逃れられないから、受け入れて生きていくしかない。ひとりで抱えきれないなら誰かと生きていくしかないし、理解者がひとりでもいれば生きていける。