◆“天性の主演スター”
2022年10月9日放送の『日曜日の初耳学』(MBS、TBS系)に、松坂桃李が出演したときのこと。MCの林修との対談で、松坂の正直な人柄がにじんでいた。非の打ち所がないはずの俳優人生について語る姿には、嘘ひとつなかった。『侍戦隊シンケンジャー』(テレビ朝日系、2009年)で戦隊ヒーロー俳優としてデビュー後、主演作品が続いていた当時のことを松坂は、こう語る。
「事務所に相談して、主演以外でも脇で作品に参加させてもらえないかと話し始めてから、そのストレスはなくなってきた感じはありますね」
当時の松坂が感じていた「ストレス」とは、主演作が続いていたことに対する「実力と立たされている場所の誤差みたいなもの」と本人が説明している。主演作が続くことは俳優として幸運なことではないかと想像するが、俳優の実感はそんなに単純なものではないのだろう。
「20代後半はいろんな役に挑戦させてください」と頼み込んだという松坂は、脇に回ろうが、嫌でも目立つ。それが、“天性の主演スター”の証だ。