「習うなら一流から!」がモットーの私は、著名なメイクアップアーテイストである嶋田ちあき先生が主宰されていたプロ養成コースを見つけ一大決心。その頃には「美容の仕事をしてみたい」という気持ちが芽生えていたので、独身時代の貯金はどんどん減っていきましたが、清水の舞台から飛び降りる気持ちで申込みました。「嶋田先生から直接指導を受けられる!」代官山のスクールに通うのが楽しくて仕方ありませんでした。
◆メイクで周りからの扱いが激変した
相変わらず太ったままの私でしたが、メイクを変えただけで周りからの扱いが劇的に変わりました。どこに行っても丁寧に扱ってもらえていると感じるようになり、また初対面の方からは「美容系の方ですよね?」開口一番に言ってもらえるようになり、私の第一印象は美容のプロに見えるんだ!と、とても嬉しく、また自信にもなりました。
◆建築士の発想から生まれた「骨格補正メイク」とは
自宅サロンから始めたメイクレッスンですが、プロとして信頼を得るために一年後には法人化し、銀座に場所を移しました。
場所が広くなったのでグループレッスンをスタートしたのですが、そこである問題が発生しました。それが後に「骨格補正メイク」の誕生のきっかけとなりました。
グループレッスンでは、基本のやり方はホワイトボードに書いて伝えつつ、その後各テーブルを周りながらその人に似合うメイクを個々に伝えていたのですが、そんな時「なんで隣の人へのアドバイスと自分へのアドバイスが違うんですか?」と疑問に持つ生徒がいらっしゃったんです。私の中で理由は明確で、「顔のバランスが違うから」だったのですが、顔のことはデリケートで言いづらいですし、それを伝えることで傷つけてしまうのではないかと悩みました。
その結果、顔の輪郭とパーツを測って伝える、ということを思いついたのです。数字はただの事実なので相手を傷つけないのではないか、と考えたわけです。もともと設計士時代も現場とのやりとりは全て数字でしたし、客観的な事実を正確に伝える方法として最適なのではと考えました。