こんにちは。これまで1000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。私自身が“完全なる非モテ”から脱出した経験から、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」を発信しています。

8月末、東京23区の女性が結婚で地方に移住した場合、60万円支給する施策を政府が検討していると報道されました。すぐさまSNSなどで炎上し、結果的に制度は白紙になりましたが、実施されなくて本当に正解だったと思います。私自身も男性・女性を問わず多くの結婚希望者を見てきた経験から、今回の60万円施策は的外れすぎて呆れています。そもそも、地方の男性と都会の女性の間には深く大きい溝があるのですから。

北海道の風景
北海道の自然豊かな風景(写真:今回取材した綾香さん提供)
そこで今回、数年前に筆者のところへご相談に来られた綾香さん(仮名・30代)に取材することにしました。首都圏出身の綾香さんは、自然が好きで農学部を卒業、お相手のエリアにこだわらず婚活して北海道の人ともデートをしていたのです。

そんな彼女が、「60万円のために移住婚する女性はいないと思います」と断言する理由とは――。

◆首都圏の20代女性と、地方の男性の埋まらない溝

綾香さんは20代の頃に3年ほど、北海道の農業関係の会社で働いていたそうです。そこは札幌から100キロ以上離れた田舎町でした。自然豊かできれいな景色や動物が見られて、ドライブも楽しい土地だったといいます。しかし、人間関係には問題がありました。

「2015年頃なのにまだお茶くみがあり、女性の仕事でした。私は総合職で就職していましたが、私を含め女性社員は『おい、これやっておけよ』と男性社員から当然のように雑用を振られるのです。

そこの人たちはとにかく飲み会が好きで、二次会、三次会まであるのが普通。注文取りのまとめなどは女性がやらされるのが暗黙のルールでした。私が一次会で帰ると『仕事だから最後までいないと』と昭和のようなことを言われました。