こうした中で、警察が未確認異常現象についての市民からの通報を真剣に受け取らなければ、いつか警察が批判の的になってしまう恐れがある。
2023年5月、ラスベガスの住宅の裏にUFOのようなものが墜落し、巨大な生物がいるとの通報があり、警察官が現場に駆けつけた。証拠はなく、捜査はすぐに打ち切られたが、メディアで大きく取り上げられ、ソーシャルメディアで世界に伝わった。
警察は「未確認異常現象」というつかみどころのないものと、荒れ狂うと手に負えないソーシャルメディアでの拡散に身構える。
米国の調査会社ギャラップの調査では、UFOの存在を信じる人は2019年に33%だったが、2021年には41%に増加した。英国の調査会社YouGovが米ニューズウィークの調査数字と比較した統計では、1996年に20%だった「UFO信者」は2022年には34%になった。フランスに本社があるIpsosの2023年の調査では42%の米国人がUFOや宇宙人の存在を信じている。