「準備期間は大変でしたけど、一度決めるとブワーッと頑張れる性格のため、心が折れそうになったことはありません。ただし、渡航後にグッときた出来事はありましたね。それは、下の子が渡航3か月くらいたって学校の様子を話してくれたときに、『友達が僕と遊んでくれないから楽しくない。日本語を喋りたい』と言ったんです。このときは『本当にこの選択はよかったのかな』って、凄く心がグラつきました。結局当時は『5歳だからそういうこともあるか』って考えて切り替えましたが、やっぱり子どもに何か言われると、親としては心が折れそうになりますね。現地で知り合った親御さんに聞いてみると、皆さん総じて、子どもから『日本に帰りたい』って言われるとグサッとくると言っていますね」
ある意味子どもが日本を恋しがるのは、海外移住の通過儀礼的なものなのかもしれません。その言葉をすぐに叶えられない以上、親としては現地生活を最高のものにするために、全力を尽くすしかありません。
◆子どもが移住生活に馴染めないリスクをどう考えるのか
海外教育移住を語る際、リスクとして語られることの一つは、子どもが現地の環境に馴染めないとか、語学の壁を超えられないという問題です。実際ねこ田家も、渡航3か月で下の子が学校への登校しぶりを経験したわけですが、こうしたデメリットはどう考え、対策を取っているのでしょう。
「我が家の場合は、『風邪やいじめとかでない限り、学校に行かないってオプションはないよ』と常々伝えていました。ただ周りを見ると、子どもが学校に馴染めずに苦労しているケースを見かけたことはあります。一般的に、セカンダリーと呼ばれる中学生以上の年齢になるとケアは大変になりますが、Y1(日本の小学1年生)の頃の学習面の問題は、マレーシアではサポートの選択肢が多数あります。