◆準備期間は半年!大体が掃除に追われる日々に

ペナン島にて
 家の整理が一番大変!? 思わず筆者も聞き返します。だってそれって、普通の引っ越しとなんら変わらないではありませんか。もっと手続きや学校選びに苦戦するとか、そういう“海外っぽいこと”を想像していたので驚きます。

「私は英語ができますし、手続き関係はやればやっただけ前に進むので、特に困った事はありませんでした。語学力がない方でも、エージェントを活用することで、手続き関係はクリアできます。英語の準備については、長男(当時8歳)は渡航4か月前くらいからコツコツ始めましたが、日本にいる間に飛躍的に身についた実感はありませんね。

もちろん語学は事前にある程度やれるに越したことはありませんが、ウチは準備期間も短かったので、次男と夫はまったく準備をせずに渡航しました。それよりも我が家の場合は、自宅を整理してどうするかという問題が、とにかくずっと悩みの種でした。我が家の海外移住は夫のビザの関係上、2年で一時帰国が決まっています。その間家を貸すか、そのままにするか、何を持っていくのか取捨選択する必要があります。私は物は使わなければ捨てればいいと思うタイプですが、夫は『捨てるのはもったいない』と思う性格です。

ここで意見が分かれ、家も貸したくないという夫の意見を採用し、家財を整理したりメルカリに大量に出品したりと、大変でした。現在日本の自宅は、大物家具を残した状態で空き家にしています。セキュリティを入れ、月1回母親に換気や水周りの管理をお願いしている状態です。日本とマレーシアの2か所で家賃を支払っているため、コストがかさむのですが、我が家的には仕方ないこととして受け入れています」

◆渡航直後、息子がつぶやいた一言に心がグラついたことも

ペナン島にて
「仕事の整理と各種手続き以外は、ほぼずっと片付けをしていた」と準備期間を語るねこ田さん。とはいえ、半年で無事渡航できるのはかなり順調に準備が進んだように感じます。当時を振り返りながら、“心が折れそうになった瞬間”はあるのか聞くと、準備期間ではなく現地入りした後のことを、少し複雑そうに語ってくれました。