俳優部の人たちがお芝居に入ってもらうときのために、そこまでは作り込むことが私の最低限の仕事だと思っている。演じてくれる役者さんが、現場でも視聴者からも、役柄で呼ばれるような、入りこんだお芝居のできる環境を作ってくることも私の役目だと思っている。
前作で私が1番、ハメ込むことができた登場人物が横浜流星さんが演じた「河村愛之介」であった。登場人物の一人ひとりには、私しか知らないエピソードが多数あって、名前をつけるにあたっては、そうした表には出ない情報も踏まえるのだ。そこで、私は絶対に妥協しない。
今作『インフォーマ-闇に生きる獣たち脱-』においても、登場人物の名前の数だけエピソードがあるのだが、河村愛之介同様に、高野龍之介と優吉には特別な想いを込めている。その想いは、必ず観ている視聴者を惹きつけ、魅了してくれるのだ。
もちろん、木原慶次郎も三島寛治も同様だ。タイトルも登場人物も躍動させたければ、そこに拘り続けなくてはならないのだ。そこを疎かにしてしまうと、読者も視聴者も感情移入なんて到底できない。
誰しもが口にしてくれる『インフォーマ』というタイトルを生み出しのは私である。そこから大勢の人たちを巻き込み浸透させ、今、再び幕が上がるのだ。ワクワクしないわけがないだろう。
準備はいいだろうか。2024年の最後を飾る作品として申し分はないはずだ。もう一度言う。心の準備はいいか。
ポンコツのひたむきな情熱、木原慶次郎の粗暴を演じながらも、実は繊細で義理堅さを宿した内面。
今度の敵も一筋縄ではない。敵役として登場するキャラクターも、前作を彩ってくれた登場人物たちも個性豊かに役柄を超えて躍動してくれている。
舞台は微笑みの国・タイ、バンコクからだ。「週刊タイムズ」編集部には、長澤編集長に箱崎デスク、有村編集者がいる。三島の止まり木はいつも「週刊タイムズ」で、そこには三島が疲れた身体を癒すことのできる居場所があり、視聴者の方々にも、三島が「週刊タイムズ」編集部に戻ると、ホッと安心してもらえるのではないだろうか。