ここでは、原作では四十代の役を岡田の実年齢に合わせ引き下げたそうだ。この俳優が秘めていたものを車のなかで語る場面は屈指の名場面となった。

◆いまどきの青年役かと思うと、つばめのように印象が翻る瞬間が

©2024 映画『ラストマイル』製作委員会
©2024 映画『ラストマイル』製作委員会
『ラストマイル』ではいまどきの令和のよくできた青年役かと思うと、やっぱりある瞬間、つばめのように印象が翻(ひるがえ)る瞬間がある。社会派映画にもなりそうな題材をみんなが楽しめるエンタメにするために岡田将生は大いに尽力している。

舞台挨拶でお腹が鳴ったニュースが2度もヤフトピになってしまうところもギャップが魅力の岡田らしい。

『ラストマイル』2024年8月23日(金)公開 ©2024 映画『ラストマイル』製作委員会

<文/木俣冬>

【木俣冬】

フリーライター。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』など著書多数、蜷川幸雄『身体的物語論』の企画構成など。Twitter:@kamitonami