では、本当の意味で売れていない芸人はどの程度稼いでいるのか。サンミュージックプロダクションに所属している女性お笑いコンビ「マリア」のイーちゃんが、ツイッターで「すごいのでたよー 仕事くださいー」というコメントと共に給与明細の画像を投稿した。その画像には「出演料 アメブロバナー広告1月分」という項目が一つだけ。そして、支払い金額はなんと「1円」なのだ。つまりこの月、イーちゃんさんが事務所から振り込まれた金額は「1円」なのだ。

 皆さんはどう感じただろうか。この状況が特殊というわけではなく、売れていない若手芸人にはざらにあることだ。さすがに「1円」という見事な金額ではないが、僕の同期でも「103円」とか「58円」という月収をもらっている芸人は数多くいた。事務所のシステムがわからないので一概には言えないが、この「1円」という支払額は事務所から振り込まれるギャラなので、たぶんライブ等のとっぱらい(当日に直接現金でもらうギャラや交通費)は含まれていないだろう。

 なので芸人としての月収はもう少しあるとは思うのだが、だからといって生活できるだけの収入はないはずだ。若手芸人が出演するライブのギャラは良くて5000円。最悪、芸人がチケットノルマ代を払って出演させてもらうものもあり、ギャラはマイナス1000円というパターンも存在している。