日野によると「一緒に仕事していた仲間を粛清しなくちゃいけないこともある」そうです。まひろとちさとが、いつか戦うこともありうるということです。不吉な死亡フラグが、またしても立てられました。単なるミスリードであるといいのですが。

 第9話のラスト、まひろは殺し屋協会のマネージメントを請け負う須佐野(飛永翼)から、日野自身が粛清対象であることを告げられます。異動して間もないとはいえ、直接の上司を殺害するという厄介な極秘ミッションをまひろは負うことになります。

現実世界でも岐路に立つ髙石あかり

 今夜放送の第10話では、鉄壁のコンビネーションを誇ってきたちさまひの関係にヒビが入ることになります。ちさとは営業部の人間関係に疲れ、磨耗しています。まひろに菓子パンを買って帰る心の余裕さえも失っています。まひろも、上司殺しの計画を誰にも漏らすことができず、孤独に悩みます。

 劇場版第2弾『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』(2023年)までは、スタントパフォーマー出身の伊澤彩織がアクションパートの中心になっていましたが、現在公開中の第3弾『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』では、髙石あかりも見事な殺陣を披露しています。コミカルな演技に加え、シリアスな芝居もでき、表現力に幅があるのが髙石あかりの魅力です。しかも、まだ21歳で、俳優として伸び盛りの時期にあたります。

 将来が約束された新しい仕事を優先するのか、それともまひろとのこれまでの友情を守るのか。揺れ動くちさとの内面を、現実世界でも大きな岐路に立つ髙石あかりがどう演じていくのかがクライマックスの見どころとなりそうです。

 残すところ、『ベビエブ』も3話のみ。まひろは日野との対決が、ちさとはパワハラ気質の営業部全体との闘いが待ち構えています。裏社会の殺し屋から、朝ドラのヒロインへと華麗な転身を果たす髙石あかりの殺人パフォーマンス、そして当面は封印されることになるちさまひのラストバトルを、しっかりと目に焼き付けたいと思います。