森山裕幹事長は、就任前は人当たりのいい、腹芸の出来る人間だと思っていたが、幹事長になると、石破に解散総選挙を迫り、裏金問題議員の処遇も二転三転してしまった。

 見かけと内実がこれほど違うのは、石破と同じである。

 今回の衆院選は「赤旗選挙」といってもいいほど、派閥の裏金問題にしてもこの政党助成金問題でも、スクープしたのは赤旗であった。

 前に、新聞の川柳欄に「赤旗に白旗あげる自民党」というのがあったが、大新聞形無しの共産党赤旗のスクープが自民党を追い詰めたことは間違いない。

 だが、その共産党も自民党、公明党、日本維新の会同様、大きく議席を減らしてしまった。

 しんぶん赤旗日曜版(11月3日付)で「総選挙の結果について」(日本共産党中央委員会常任幹部会)こう総括している。

「この総選挙では、日本共産党の支持を広げようと多くの支部・グループ、党員のみなさんの大奮闘がありました。しかし、対話・支持拡大は近年の選挙と比べても半分程度にとどまり、党の訴えを有権者に十分浸透させきれないまま投票日を迎えたことを率直にお伝えしなければなりません。その根本にはわが党の自力の後退があります。ここに総選挙から引き出すべき最大の教訓があり、この弱点の打開は、いよいよ緊急で死活的課題となっています。そのことは全党のみなさんが、共通して痛切に感じておられることだと思います」

 この党も、真剣に党名変更を考える時期に来たのだ。

 自民党は嫌だが、共産党も嫌だ。そうした有権者の判断が、似非自民党といってもいい国民民主党を党勢拡大させた。

 いい気になった玉木雄一郎は、早速自民党と連携する姿勢を示し、あわよくば公明党に代わって与党入りを目指すつもりのようだ。

 自民党は大敗したが、終わってみれば、何も変わらなかった。そうした「諦め」が有権者の中で広がることが恐いと思う。

 まずやるべきは、大敗の責任をとって石破茂首相が辞め、簡単な総裁選で次を選び、野党と丁々発止と切り結ぶ自民党にするべきだろう。