さらに10月3日にも情報が届き、そこには外部の人間が知り得ないカウフマン社長の個人情報が含まれていたというのである。
竹内会長から通報を受けた警視庁は、すでにカウフマン社長を違法薬物使用の嫌疑で、今年6月18日に家宅捜索をしていたそうである。
そして、その“通報者”とは、カウフマンに薬物を渡していた売人だったというのだ。
10月28日、カウフマン社長の辞任が発表された。
文春が、カウフマン社長の違法薬物に関する情報を入手したのは、昨年2月だったという。
その情報とは、「カウフマンは彼と親密だったラテン系の女性を介してドラッグを卸してもらっていたが、昨年1月以降は売人と直接取引を行うようになり、取引は週2回から3回にも及ぶ」というものだったという。
昨年2月11日の夜には、取引の現場を写真に撮っていたそうだ。その後も、28日にも彼らの姿を捉えていたという。
約1年8カ月に及ぶ取材の結果、百通余りの通信記録と2人が取引現場で交わしていた音声データなどを入手していたそうである。
だが、なぜ、上得意を裏切るような行為を売人がしたのか。売人Xはこう語っているそうだ。
「この二年間、俺は都合良くコキ使われ、しまいには裏切られ、屈辱を受けてきた。あんな人間が世界的企業のトップで良いのか。今では彼に関わって売人を続けてしまったことを深く後悔し、反省しています」
カウフマンがどっぷり浸かっていたのはコカインとMDMAで、昨年9月上旬ごろには、致死量を越していたそうだ。よくそんな体で社長業が務まったと思うが、カウフマンは、薬物がなかったら仕事はできないといっていたという。
社長就任直前の昨年3月にはXに対して、違法薬物の取引がバレたら「オリンパスの株価が1000円まで下がる」と豪語していたそうだ。
呆れ果てた人間がトップに就いていたものだが、これほどのスキャンダルが起きてもオリンパスという会社は生き続けるのだろうか。そのほうが不思議な気がするのだが。
(文中敬称略)