そして、どの立場にあっても、あからさまな失言と呼べるものはない。森喜朗元首相や麻生太郎氏のような形で世間を騒がせるタイプではないでしょう。

 にもかかわらず、大空幸星氏には彼ら以上の危うさを感じます。なぜなら、信念の核を欠いたところに、肥大した弁舌の技術が巣食っているからです。

 その意味で、大空幸星氏は今という時代を象徴する政治家なのだと思います。

<文/石黒隆之>

【石黒隆之】

音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4