(画像:大空 幸星おおぞら こうき公式サイトより)
(画像:大空 幸星おおぞら こうき公式サイトより)
 大学在学中に24時間利用可能なチャット相談窓口を運営するNPO法人「あなたのいばしょ」を設立。孤独対策に取り組む内閣府の検討会の委員に任命されたことで、次第にメディア露出を増やしていきます。

 民放各局のニュース、情報番組で軒並(のきな)みコメンテーターを務めると、若い世代と弱者の声を伝えるオピニオンリーダー的な立ち位置を確立しました。

 時の政権には批判的なスタンスで、弱者に対する視線を欠いた無策を嘆いてきました。2020年に安倍晋三首相(当時)が退陣を表明したときには、「若者世代の命を軽んじる政治が続いてきた」と糾弾し、明らかに自民党的な政治に対して距離を取っていたのです。

◆「自民党じゃないとできない」変わりっぷりに驚き

 そうした背景があるからこそ、大空氏を知る人はその変わりっぷりに驚いたのでしょう。

 選挙期間中に雑誌『AERA』の取材を受けた際には、「野党と一緒に孤独対策をやってきても一緒に仕事ができなかった。つまり、何もやってくれなかったんですよ。(中略)僕は本当にそこで野党に失望しました。自民党じゃないとできないと思いました。困った人に手を差し伸べるのが真の保守政治だと思います」とまで言い切っていたのだから恐れ入ります。

 いずれにせよ、大空氏は自民党所属の国会議員になりました。東国原氏も言うように、今後はそのような思想や発言の変化も踏まえ、有権者が審判を下していくようになるのでしょう。

 こうして批判にさらされている大空氏の発言ですが、では具体的に何が問題だったのでしょうか? 改めて彼のコメントのロジックを見ていきたいと思います。

◆自分の話を、政策実務の難しさにすりかえ

(画像:大空 幸星おおぞら こうき公式サイトより)
(画像:大空 幸星おおぞら こうき公式サイトより)
 まず、大空氏が政治家とコメンテーターとでは立場が違う、よって表現の仕方やアプローチが変わるのも仕方ない、と語ったこと。それ自体は正しいし、率直な感想であると思われます。