屋敷に住む人形少女ともいうべき風体の品子(片岡凜)は、風評を払拭するために記者を呼び、記事を書いてもらうことにした。そうして呼ばれたのが、雅さんでした。

 死んだのは人形か、人間か。なぜ女中は身を投げなければならなかったのか。そうした謎に、雅さんと左右馬、鹿乃子が向き合うことになります。

 第2話では早々に関係者に嘘をつかせ、それを鹿乃子に見抜かせることで倒叙ならぬ“半・倒叙”とも呼ぶべき独特の事件解決スタイルを演出した『嘘解きレトリック』でしたが、今回は関係者がなかなか嘘をつきません。

 最初に事件を左右馬たちに説明した紳士に「これ以上、話すことはありません」というセリフをあてがい、その発言に嘘がなかったことを明示して場を整えると、いかにも怪しい品子という人形チックな女性への尋問でもしばらく嘘が出てこない。

 誰も嘘をつかないまま、次々に謎だけが積み重なっていく。私たちは、鹿乃子が嘘を見抜き、それが嘘であることを伝えられた左右馬がトリックを暴く展開を期待していますので、次第に「嘘待ち」ともいえる心境になってきます。4話目にして、早くも「嘘解き」というチート能力設定を逆手に取って見る側を焦らしてくるわけです。

 そうして焦らし切ったところで、人形娘・品子に嘘をつかせます。

「この屋敷では誰も死んでいない」「イネさん(女中)は自殺した」

 品子から語られたこの2つの情報が嘘であることを鹿乃子が聞き分けます。つまり、実際に屋敷では人形ではなく人が死んでいるし、女中も誰かに殺されたということ。

 もうけっこう放送時間もたっているし、こっから一気に解決編に持っていくのかなと思ったら、今回は週またぎでした。解決編は次回へ。

■原作から抽出する話順の話

『嘘解きレトリック』は比較的、原作コミックを忠実に再現しています。セリフもトリックも、大部分をそのまま採用する形です。

 ですが、話順については忠実ではありません。