貧乏だけれど洞察力だけは優れている探偵・左右馬(鈴鹿央士)と、嘘を聞き分けてしまう能力を持つ助手・鹿乃子(松本穂香)にさまざまな事件が降りかかるドラマ『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)。

 いわゆる「月9」枠なわけですが、今のところ恋愛要素はごく薄く、昭和初期のレトロな世界観を再現した本格ミステリーといった感じ。しかも、探偵が謎を解くにあたって極めて便利な「嘘を聞き分ける能力を持つ助手」というチート要素も巧みに織り込んで、推理劇としてもひとつひねった設定となっています。

 そんなわけで、今回はホラー風味も加わった第4話、振り返りましょう。

■『嘘待ち』レトリック

 今回は、左右馬の親友である刑事の姉・雅さん(北乃きい)の登場からスタート。いかにもモダン・ガールなメイクと衣装が映えるチャキチャキの勤労婦人で、オカルト雑誌の記者をやっているそうです。

 このドラマ、鈴鹿央士をはじめとして主要人物には華やかな顔面を持つ俳優を配置しているので、モブとのギャップが出て非常に見やすいんですよね。北乃きいもまた、実に華やかな女性として登場します。

 雅さんは、汽車に乗って何やらいわくつきの人形屋敷に取材に行くと言います。大きな荷物を抱えた雅さん、左右馬の貧乏につけ込んで、家賃を肩代わりすることを条件に荷物持ちを依頼。左右馬と鹿乃子も、その人形屋敷に同行することになります。

 目的の山村に到着すると、迎えの紳士によって事件の概要が説明されます。その屋敷では、人形にも食事を出すという習慣があった。ある日、女中が屋敷に出たネズミを退治するために人形に出す食事に殺鼠剤を混ぜた。すると、誰も食べないはずのその食事を食べて人が死んでしまった。パニックに陥った女中は橋の上から身を投げた。ところが、地元の刑事の調べでは屋敷では誰も死んでいないことが明らかになる。倒れていたのは人形で、女中はその人形を自らが殺してしまった死体と見間違えていたようだ。この事件をきっかけに、人形屋敷は世間から奇異の目で見られることになった。