■歌ネタでもM-1王者になれる

 賞レースにおいて審査員のコメントが翌年のネタの傾向に少なからず影響があることは間違いないだろう。特に、今年の敗者復活戦でめちゃくちゃおもしろい歌ネタを披露したシシガシラには、もう一度あのネタで挑んでほしいという思いもあって、この企画を作ってみた。

 歌ネタについて結論をいえば、ウケれば優勝できるし、歌ネタだから評価されないわけではない、ただ、礼二はあんまり点数くれないかも、というところだった。

 過去には『キングオブコント』(TBS系)でニッポンの社長が松本人志に「暗転が~」と指摘されたり、いぬが飯塚悟志に「キスが~」と言われたりしたことで、芸人界がざわついたこともあった。

 賞レースの審査コメントによって、翌年以降の芸人のネタ選びに制限がかかる状況になるのは、非常に好ましくない。審査員だって人間であり、難しい審査を行っている生放送中に突然振られるコメントにブレが生じるのもごく自然なことだろう。「キス」がルール違反でカゲヤマの「おしり」がOKな飯塚さんの性癖も気になるところだ。

 いずれにしろ、私たちはいろいろなネタが見たいので、あんまり気にしないでがんばってほしいと思います。人生かかってるし、なかなかそう簡単な話でもないと思いますけど。

(文=新越谷ノリヲ)