◆いい人すぎるYさんの対応。それに引き換え新郎は……
聞けば、Yさんはいつも会社で彼女がいないことをイジられるらしく、『Yさんに彼女を作ろう』企画はもはや社内の定番になっているのだとか。このご時世にそんなノリのことをしている会社があるのか……と、長年フリーランスで働いていた渚さんはカルチャーショックを受けたそうです。
「実際のところ、Yさんも周りに言ってないだけで、付き合ってる人がいたんだそうです。あまり詮索(せんさく)されたくなくて黙ってるんだとか。そろそろ転職を考えていて、それが上手くいったら結婚するつもりだと、こっそり教えてくれました」
しかし、Yさんが渚さんにチケットをあげてしまったことは新郎新婦にバレてしまいました。渚さんは帰り際に「Yさんとディズニーに行くことに不満でもあるのか」と新郎に詰められるという結果に。
「彼氏がいるとか、そういう説明をする気持ちも、Mちゃんを祝う気持ちもすっかり失せてしまいました。チケットは『そういう風に思われるのでしたら受け取れません』と返したのですが、それも『失礼だ!』と怒られてしまいまして……。それ以降、Mちゃんとの連絡も途絶えてしまいましたが、致し方ないと思いますね。Yさんがあの会社を辞められて、無事に幸せな結婚をしていることを願っています」
幸せのお裾分けはありがたい(?)ことですが、無理やりの押し付けはほどほどにして欲しいものですね。
―結婚式のトンデモ話―
<文/もちづき千代子>
【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama