◆男女でペアになってゲームスタート
「私が見知った顔はいなかったので、小中学の友達で招待されたのは私だけだったようですね。正直、かなりアウェイ感はありましたが、2人をお祝いする場なのでそれは別にいいかな、と。ただ、途中に挟まれたゲームコーナー……あれが、ちょっと面倒だったんですよ」
それは、新郎新婦それぞれの友人たちから独身の男女を5名ずつ選出し、ペアになって行うというミニゲーム。事前に何も聞かされていなかった渚さんですが、司会者と新郎新婦に強引に参加を促されてしまいました。
「私とペアになった男性は、40歳手前くらいのいかにも奥手そうなYさんという人でした。Kさんの同じ部署の先輩にあたる人だそうです。他の4組のペアは私と同い年くらいな感じだったのですが、全員新郎新婦の同僚だったみたいで、顔見知り同士わいわい盛り上がってる感じ。私の相手も悪い人ではなさそうだったのですが、私はわりと人見知りなのでどうしても戸惑いの方が大きかったです」
ゲームは2人で協力してトイレットペーパーを早巻きするとか、マシュマロキャッチなどのごくシンプルなもの。しかし、渚さんはゲームの途中でふと気づきました。何だか他のペアがわざと失敗しているような雰囲気があったのです。
「私のペアも何度か失敗はしつつも、他のペアに比べるとわりと順調にゲームをクリアしていってたんですよ。周りがあまりにもミスりすぎてて。おかしいな、と思っていたら司会者のひと言でハッと気づきました。『お二人は初めて会ったのに息がぴったりですね! これはもしかして運命なのでしょうか』とか言ってるんですよ。これ、もしかしてお膳立てされてるのかな? って」