◆「別室登校」は親も子も地獄だった

――登校を続けていたもっちん君が再び学校に行くつらさを訴えるようになってから、今さんが付き添いながら別室登校をしていたことが描かれていました。別室登校や付き添い登校とは一般的にはどんなものなのでしょうか?

今じんこさん(以下、今):人や学校によって違うと思うのですが、空いている教室に通って親と過ごす場合や、ときどき先生が教室に様子を見にきたり、子どもだけがクラスメイトのいる教室に入ってお母さんは廊下に待機したり、お母さんが教室の後ろで授業参観しているというパターンもあります。

――別室登校や付き添い登校のつらさとはどんなものだと思いますか?

今:別室登校が子どもにとって本当にいい居場所になって前向きに足が向くくらい安心できる環境になっているなら話は別なのですが、「とりあえず学校にいることに慣れたほうがいい」という意味合いの別室登校は自尊心が奪われて学校への拒否感がます場合が多いです。

親御さんたちに付き添い登校の話を聞くと、うつや過呼吸で倒れたという方も少なくありません。「付き添い」という言葉を聞くだけでもフラッシュバックでつらい方も……。

――今さんやもっちん君にとっても、別室登校はそれくらいつらい経験だったのでしょうか?

今:教室に入れないから「とりあえず別教室で」と別室登校を始めてしまったので、すごくつらかったです。

インスタグラムで私が別室登校を頑張っていることを投稿していたとき、誰も「それはやめたほうがいいよ」と教えてくれなくて、後から「教えてよ!」と思いました(笑)。でも、指摘することで私が傷つくと思って誰も言わなかったのだと思います。「無理はしないで」とはたくさん言われていましたが、無理はずっとしていたので、どこから「本当の無理」になるのか渦中はまったくわかりませんでした。

私の場合は幸い、信頼している不登校のお母さんが「もう限界がきているんじゃない?」と教えてくれたので別室登校をやめることができました。