さらに、政府などがホストにハマった女性たちを「被害者」としていること自体を疑問視する声もある。女性たちは強制的に店で金を使っているわけではなく、お気に入りのホストを喜ばせたい、好意を持たれたい、場を盛り上げたい、他の客よりチヤホヤされて優越感を得たいといった理由でホストクラブに通い、大金を使っているケースが目立つ。
ホストが「押し売り」のようにして女性から金を巻き上げたのなら問答無用で許されないことだが、ネット上では「成人女性が自分の意思で金を払っているのに『ホストにだまされた被害者』として扱うのはどうなのか」「悪質なホストは取り締まるべきだけど、自分で納得した上で散財した人を税金で支援するのはモヤる」「その理屈だとギャンブルにハマって借金まみれになった人とか、投資に失敗した人とかも政府が助けないといけない」といった意見も多く、賛否両論となっているようだ。
悪質なホストは、新興宗教のようなマインドコントロールで女性客をつかみ、借金漬けにしているとも指摘されている。その理屈であれば、旧統一教会のように国が規制に乗り出すことも不可能ではないように思えるが、ホスト業界全体を「悪質な新興宗教」と同列にしてしまうとなると、かなり意見が分かれるところだろう。
いずれにしても、単純に「問題があるなら規制してしまえ」では済ませられない複雑な構造があり、今後も議論が続きそうだ。