モペットは電気自転車よりもスピードが出る。ルールに反して電動自転車と同じ「自転車専用レーン」をモペットで走行するケースが横行し、歩行者はさらなる危険にさらされている。
モペットや電動自転車が歩行者と接触し、歩行者が死亡する事故も相次いでいる。デリバリーサービスの労働者以外の「バイクシェア」利用者も事故を起こしているが、移民ばかりが批判され、事態を複雑化させている。
モペットの広がりとともに、モペットを使ったひったくり事件が増えている。歩行者の携帯電話を奪い、アプリに登録されている情報を盗み出して銀行口座などから金をだまし取る。携帯電話そのものは中南米などで売りさばかれる。
犯行には犯罪組織が絡んでいるといわれる。北米や中南米で急速に勢力を広げているベネズエラのギャング組織「トレン・デ・アラグア」が、ニューヨークにたどり着いた移民希望者を「リクルート」して犯行に及んでいるとされ、ニューヨーク市警(NYPD)だけでなく米連邦捜査局(FBI)も本格的な捜査に乗り出している。
ニューヨークに到着した瞬間からの暴走自転車への注意は、めぐりめぐってニューヨークの暗部につながっている。