一方、ミワさんは妊娠を告げても何も変わらないヒロキとの離婚を決意。親友もシングルマザーとして子どもを育てているし、自分の母親(多岐川裕美)も女手ひとつで自分を育ててくれたし、なんとかなるだろう。離婚届を用意してヒロキの帰宅を待ちます。

 しかし、離婚を切り出そうとしたそのときにミワさんの電話が鳴り、夫婦は急変したミワさんの母親の病院へ。母親は容態こそ落ち着いたものの、だいぶ弱ってしまって涙ながらにミワさんに「苦労をかけたね、ごめんなさい」と繰り返します。シングルマザー、やっぱりちょっと大変そうです。

 さらに帰り際には病院の受付から55万円の医療費の請求書を渡され、やっぱり離婚はできないと思い直すのでした。

「ちゃんと考えた」ヒロキは、ミワさんに「子どものことは何もしない。父親の役目はできない。金は入れる」と現実的な提案をします。ミワさんもこれには納得。夫婦関係は冷え切っていますし、一度は離婚まで決意したほど別に好きな男じゃなくなっていますので、渡りに船といった感じです。

 空欄にしたままだった母子手帳の「父」の欄にヒロキの名前を記入し、離婚届と、その子がヒロキの子ではない証拠であるDNA鑑定書を焼き払い、正式に「托卵妻」としての第一歩を踏み出すことにしたのでした。

 そうして迎えたお産の日。ミワさんはヒロキが立ち会いに来るとも思っていませんでしたが、無事に出産した直後に現れたヒロキは産まれたばかりの我が子(我が子ではない)を抱き上げて号泣。まさにマスターが言っていた「産まれてみなきゃわかんない」という言葉の通り、ヒロキの心の中で大きな変化が起こったようです。

 あと、アフリカで死んだと思っていた本当の父親・冬月(深澤辰哉)が実は生きていて、もうすぐ日本に帰ってくる様子。冬月はミワさんが離婚して自分と一緒になってくれると思い込んでいますから、ますます大変です。いやぁ、大変だ。

■実に手際よく、地獄を構築する