住宅購入の際に盲点なのは「諸費用」と「ランニングコスト」

(写真=Atstock Productions/Shutterstock.com)

住宅購入の際に見落としがちなことが「諸経費」です。

物件の価格のほか、住宅ローンを組む際の費用としては、融資手数料や抵当権設定費用など、不動産の取得に際しては、不動産取得税や登録免許税などがかかります。その他には火災保険の加入も必要となります。

引っ越し費用や新生活費用などを含めると、多めに見積もって、購入物件の10%程度は予算に入れておきたいところ。物件予算が2,000万円なら2,000万円×10%=200万円が必要となります。

それに加えて、住宅ローン支払い以外の「ランニングコスト」も考えておきましょう。

持ち家の場合は「固定資産税」が毎年発生します。土地や建物の評価によって税額は変わりますが、年間10万円程度を見込んでおくとよいでしょう。分譲マンションの場合は、「修繕積立金」や「管理費」、マンションによっては「駐車場代」も別途かかります。

現在の家賃=ローン返済額としてしまうと、「今までより貯蓄できる額が少なくなる」という状態になり、老後資金にしわ寄せがくるので注意が必要です。ローンを組む際は、これらのコストも考え、慎重に資金計画を立てるようにしましょう。

収入が減ったとき、病気になったときの対策

(写真=takayuki/Shutterstock.com)

住宅ローンを組むと「収入が減ったり、病気になったりしてローンの支払いができなくなったら……」と不安に思う方も多いでしょう。そんなときのためにも、毎月の返済額を少なくしておくことは大切です。

一般的に、住宅ローンを組む際には「団体信用生命保険」(以下、団信)に加入しますが、オプションで「がん保障」や「三大疾病保障」を付けることができます。がんなどの所定の状態になったときに住宅ローン残高が0円となりますので、住宅ローンを組む際には検討してみるのもよいでしょう。

さらに、働けなくなったときの備えとしては「所得補償保険」があります。病気やけがで仕事に行けない期間、お給料の代わりに設定した金額が受け取れます。月々の保険料は2,000~3,000円とお手頃なので、団信と共に備えるのも一つの手です。

不動産を手放す場合も想定して、「売却」や「賃貸」ができる物件かどうか、そのエリアの不動産情報を冷静に分析してみることも大切です。

さまざまな角度で熟慮し、現在も未来も安心できる住まいを手に入れたいですね。

文・冨士野喜子(ふじのFP事務所所属)

【こちらの記事もおすすめ】
アラフォー、家を買う 譲れない3つの条件
住宅ローン控除(減税)をフル活用するための基本の「き」
2018年マンションの「駆け込み」需要が起きるってホント?
実はハイリスクなライフイベントTOP5。転職、住宅購入、結婚……
40代から始める副業不動産投資 空き室を出さないための3つのコツ