昨日YouTubeで見た動画で、今年の『キングオブコント』(TBS系)で優勝したラブレターズが先輩に言われた印象的な一言を紹介するみたいな企画をやってまして、大竹まことにこんなことを言われたんだそうです。
「全部わからせるな」
コントを作る上で、何もかも全部説明する必要はない。謎の部分を残しておいていいということです。
ドラマ『全領域異常解決室』で、主人公の興玉(藤原竜也)が同じことを言ってるんですよね。
「わからないことは、わからないままでいいじゃないですか」
「すべてをわかろうとするのは人間の傲慢です」
主人公にそういうセリフを言わせるということは、まさしく作り手が「全部わからせない」ことを意識して作っているということで、おお、同じ日に別の場所で同じことを言っている、シンクロニシティだ、などと感じたものです。
それで言うと、このドラマの第1話の「シャドーマン」のトリック、第2話の「キツネツキ」の原因解明のくだりは、ちょっと「わからせ」ようとしすぎてたのかもしれない。オカルトをリアルで解明するというカタルシスを優先しすぎた故に説明過多になって、無粋なツッコミどころが露見してしまったような。モザイクスプレーとか。
今回の第3話、「空から足が降ってきた!」は、そのサジ加減がちょうどよかったと感じました。そうそう、これくらいわかんなくていいのよ~という感じ。振り返りましょう。
■『マグノリア』のやつねー。
空から足が降ってきたとなると、ポール・トーマス・アンダーソン監督の映画『マグノリア』(99)のカエルが降ってくるシーンをどうしても思い出すわけで、あの現象の名前は憶えてなかったけど「ファフロツキーズ」というんですね。
今回はおのずと、冒頭に空から降ってきた足とセスナの機体の一部が、どうやって興玉氏が「これはファフロツキーズだ」という結論にたどり着くのか、そして、その中でどんな人間ドラマが語られるのか、という見方になりました。