国民的アニメ『ドラえもん』(テレビ朝日系)の声で知られる声優・大山のぶ代さんが9月29日、老衰のために亡くなったことを、10月11日に所属事務所のアクターズ・セブンが発表した。90歳だった。
目次
・大山のぶ代さんの訃報に、業界内外から悲しみの声
・大山のぶ代さん、「のび太役と折り合いが悪かった」一面も
・後任声優・水田わさび、業界内から厳しい評価
『ドラえもん』声優・大山のぶ代さんの訃報に、業界内外から悲しみの声
藤子・F・不二雄氏による同名漫画(小学館)をテレビアニメ化し、国境や言語を超えて、今や世界的人気を誇っている『ドラえもん』。1973年4~9月に日本テレビ制作でアニメ第1作が放送されたのち、79年4月からはテレビ朝日系で第2作目のオンエアが開始した。
「大山さんは、第1作目で声優を務めた故・富田耕生さん(20年9月に死去)、野沢雅子の後に続き、テレ朝での放送に先立って制作されたパイロット版からドラえもんの声を担当。放送25周年を迎え、キャラクターデザインや設定の変更、キャストの総入れ替えがあった05年4月の大幅リニューアルのタイミングまで、あの独特なダミ声で四半世紀以上にわたりドラえもんを演じました」(声優誌ライター)
『ドラえもん』降板後は、テレビやラジオに出演したほか、ナレーターとしても活動。10年に1作目が発売したPSP用ゲームソフト『ダンガンロンパ』シリーズでモノクマ役を務め、13年7月期放送のアニメ(TBS系)にも出演した。
一方で、12年にアルツハイマー型認知症を患い、16年には夫・砂川啓介さん(17年7月に死去、享年80)が尿管がんを患ったことから高齢者施設に入居。今年に入ると、体調を崩しがちで入退院を繰り返していたという。
日本のアニメ・声優界をけん引したレジェンドの訃報に、ネット上では「ドラえもんの声を想像すると今でも大山のぶ代さんの声が浮かぶ」「大山のぶ代さんのドラえもんで育ったからショック」などと悲しみの声が広がった。また、先代のドラえもん声優である野沢ら、多くの業界関係者からも追悼コメントが寄せられている。