ヨーグルトなど乳製品をしっかり摂れば便秘解消する――そう信じている方もいるかもしれませんが、実は乳製品の摂りすぎで便秘を悪化させてしまうことも……。便秘を解消したい人が摂るべき食品をご紹介します。

 

■日本人の腸は本当に長いのか?

「日本人の腸は長いから便秘になりやすい」と、聞いたことはありませんか? でも、実際のところはどうなのでしょうか。

日本人と欧米人の腸の長さについて考察した記事「日本人は腸が長いか」によると、その差はほとんどなかったようです。

確かに腸の長さをもとに考えると、体の大きい人の方が便秘になりやすいことになりますし、体の小さい女性は便秘になりにくいと考えられます。しかし、周囲の便秘で悩んでいる人を見ると、体の大小が関係しているとは考えられません。ちなみに、アメリカ人の女性も便秘で悩んでいる方が多く、年間約400万人の人が便秘治療を行っているそうです。つまり、国籍に関係なく、便秘に悩んでいる女性は多いということ。

これは腸内環境の影響はもちろんのこと、女性特有の黄体ホルモンの影響などと言われます。

黄体ホルモンは女性の妊娠に関係するホルモンです。女性は妊娠をするために栄養を蓄えなくてはならず、栄養と一緒に水分も蓄えるため、便秘になりやすいと言われています。というわけで「日本人だから腸が長くて便秘の人が多い」「食事が欧米化したから便秘の人が多い」というだけではなさそうですね。

■ヨーグルトなど「乳製品の摂りすぎ」で便秘が悪化!?

私のサロンでカルテをまとめてみると、女性の約8割の方が便秘の症状を感じていて、6割以上の方が10~20代の若い時期から便秘に悩んでいました。

男性は下痢気味の人が多いのに対して、女性が便秘になりやすいのは、やはり女性特有のホルモンバランスが崩れ、水分を吸収しすぎるからという説が、最も有力なのではないでしょうか? 女性のむくみやすい体質からも、それは言えるように思います。

さて、便秘を語る上で外せないのは腸内環境、腸内細菌、善玉菌あたりでしょうか。それらを聞くと、乳製品を積極的に摂ろう! と考える方も多いと思いますが、実は乳製品の摂りすぎは要注意です。乳製品は、動物性タンパク質を多く含みます。この動物性タンパク質はとくに、日本人の体には合っていなくて、消化に良いとは言えないのです。

そのため、乳製品を摂ることで便秘になってしまう人もいます。実際、乳製品を多く摂る便秘の方のお腹(腸)を触らせていただくとパンパンでカチカチです。確かに、チーズ・ヨーグルトなどの発酵させた乳製品は便秘にとても有効です。しかし、それらは動物性タンパク質をたっぷり含むため、消化に悪いケースが多いのです。

■植物性乳酸菌を摂る食事を心がけてみて

そこで、便秘症の人におすすめなのは、乳製品よりも植物性乳酸菌(漬物・キムチ・納豆など)を摂ること。

やはり東洋人には東洋人がもともと摂っていた乳酸菌が合っているようです。もちろん、お腹の調子が良くなってきたら、チーズ・ヨーグルトなどの発酵食品も、バランスよく取り入れていきましょう。

ちなみに私は麻婆豆腐を食べると下痢をしてしまいます。どうも唐辛子に耐性がないようです。このように、食べると下痢するものがあれば「自然の下剤」として活用するのも、薬に頼らない方法です。ちょっと荒業ですが……。

多様な腸内細菌を持っている方が、女性ホルモンの代謝物が多くなります。さらに、腸内細菌は子どもに遺伝します。つまり、腸内が強く元気であることが一番だということ。腸と肌と脳は同じ細胞から生まれているので、同じような反応を示します。肌荒れもストレスも便秘も原因は一緒なので、腸を健やかにして心も体も元気にしましょう。

この記事は2017年4月5日に公開されたものです。

 

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