その代わりドラマでは何ができるかというと、作者の違う人物を登場させることができるんですよね。コミックでは、同一の作者による人物はどうしても同じ世界観に見えてしまいますが、ドラマでは違う作者、この場合の作者というのは親御さんという意味ですけれども、鈴鹿央士や味方良介といった劇画的な美顔と、大倉孝二や今野浩喜といった写実的な庶民顔を同居させることで、主人公周りのキャラクターを浮き立たせることができる。

 実写ドラマの中で左右馬というキャラクターが浮世離れしたヒーローとして映るのは、そういう顔面のタッチのギャップが作用しているわけです。

 総じて、冴えた原作を冴えた人たちが実写化してるなと感じます。次回はいよいよ人が死ぬようです。人死にはミステリーの華ですからね。楽しみです。

(文=どらまっ子AKIちゃん)