そんな中、視聴者に最も衝撃を与えたのは、SMILE-UP.の担当者と被害者家族が電話で会話をしたシーンだ。
被害者家族として登場したのは、事務所初の所属グループ「ジャニーズ」のメンバーだった中谷良氏(2021年に死去)の姉・幸子さん。なお、中谷氏は1989年に出版した著書『ジャニーズの逆襲』(データハウス社)の中で、ジャニー氏による性加害を告発している。
『Nスペ』の取材に応じた幸子さんは、「(弟が)死んで丸3年がきました。どんな思いでこの世の旅立ちがあったのか、すごく悔しい思いとか……それを訴えて、聞いてもらえたらいいかなと思って」と吐露。
当時、弟が出した“暴露本”の暗い印象を与える表紙に嫌悪感を抱いた幸子さんは、中身を読んでいなかったという。「読ませてもらって初めてわかった。それもつい最近。ジャニーズの問題が出て初めて読ませてもらって……」とも打ち明けていた。
「そんなお金出せるか」SMILE-UP.、“暴露本”出版の中谷良氏に補償対応せず
そして、幸子さんは事務所側に謝罪を求め、弟の代わりにSMILE-UP.へ補償の申告を行ったという。「少しでも、良ちゃんの犠牲の上でのこれだけ補償をいただいたよっていうのを渡したいなと。私しかできない。この訴えは」と、胸中を述べていた。
幸子さんの話によれば、SMILE-UP.に申告後、最初に電話がかかってきた際は「ジャニーが悪いんです」「ジャニーが悪いですので、受付させていただきます」と答えていたとか。
ただその後、あらためて電話があり、「実は、会社の中でジャニーズを反抗するような本を出している人に『そんなお金なんか出せるか』『金取る気か』っていう話になった」ために、補償対応はしてもらえたかったそう。
幸子さんは、悲痛な表情を浮かべながら、「結局、『ジャニーが悪いです』って言いもって、何も悪いということを、一つも思っていらっしゃらないんだなって、つくづく思いました」と語った。