あるいは前後して第2話。今度は横浜で町中華に入り、裏メニューであるニンニクましましの麺料理パタンを食べる。がっつり系油麺を平らげた五郎の満腹の表情を見て、あぁこれはタバコ吸いたくなるよなぁと思ったら、「あのタバコ吸ってもいいですか?」と店員に聞く。煙をくゆらせ、店内での一服を楽しむ。食事場面あるいは食前場面より、むしろ食後の余韻が引き立つ神回だった。
という具合に食前食後のドラマを楽しむ醍醐味が、今回の特別編『それぞれの孤独のグルメ』ではリニューアル的にドラマ要素が拡張されている。
しかも第1話で立ち寄る店は町中華。目配せがきいてる。店主役が爆笑問題の太田光。食事場面の前、この店主と五郎がたまたま川で石切に興じるエピソードがある。何だかほっこりする食前場面。『孤独のグルメ』を見る醍醐味が凝縮されている。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu