『光る君へ』では、史実の道長の黒い一面だけでなく、紫式部=まひろのそういう「イヤな女」としての一面も削ぎ落として描きすぎている気がします。これは他の主要登場人物にも大いに言えてしまうところですが……。

 前回亡くなった藤原伊周(三浦翔平さん)は、ドラマでは数少ない貴重なヒール役(憎まれ役)でした。今後のドラマの「光」だけでなく、「闇」の要素の補完役になるのは道長かもしれませんね。最近、完全な正義漢というには、不穏な言動が増えてきた道長が、本格的に闇落するのではないかと思われる筆者でした。今回は最終回も迫ってきている中、少々辛辣なことも書きましたが、『光る君へ』にはよいエンディングを迎えてもらいたい一心だからです。