◆客から提案されたバーベキュー×サッカー観戦
予約の当日、このご近所さんが友人を連れてやって来ると、なんだか我が物顔。まるで自分のヴィラであるかのように、ふるまっています。さらに、とんでもない提案が。
「明日はテラスにテレビを持って来て、バーベキューしながらサッカーを見よう」
と言い出したのです。
国際大会でイタリアが勝ち進んでいたため、イタリア中がサッカー一色のとき。皆でモニターを見ながら盛り上がりたいのもわかるのですが、この勝手ぶりに私は困惑。「はっ!何を言ってんだ、この客!」と言いたいのを我慢して愛想笑いを返し、すぐにオーナーに報告しました。すると、
「おっ、それは楽しそうだ」
と乗り気になっている…。結局、この客が食材を調達し、ヴィラのスタッフはサービスを担当することになったのでした。
◆スタッフの残業必至!深夜まで続いた宴会
次の日の夕方となり、準備スタート。どっさりと肉やワインを持って買い出しから帰ってきた客は、受付に置いてあった1本のライターを持ち出しました。
私は突如として試合終了時間までの残業が決定。テラスまでテレビを運び出し、皿やフォークにナイフ、ワイングラス、水の用意など、ウェイターのようにバーベキューをお手伝いしなければなりません。
一方の客は枝木や新聞紙を使ってライターで火を焚き、熾火によるグリルを楽しんでいます。さらに、全ての肉を焼き終わって食べ始めた頃、
「ニヴェスちゃんもおいでよ。ほら、ここ座って」
となぜか誘われて一緒に食べるはめに。
「正直、家に帰りたい」とも言えず、肉を取ってもらいながらお礼まで言わなければならないこのシチュエーションが悔しいものです。しかも、肉を焼いた人はそれで終わりだけれど、私たちスタッフには後片付けが待っています。
試合終了は深夜近く。イタリアが勝ったために宴が終わる気配はなく、見かねた上司が私を帰らせてくれました。