「局内に、自分で考えてヒットさせたという実績を持つ人がいなくなりました。外部制作のほうがヒットするケースは多いですし、プロデューサーが局を移籍してヒットを飛ばす例も増えています。テレビ局は社員で作りたがりますが、ずっと自社にいる人間で作ろうとすると、やっぱりどこか“ぬるい”部分があるのかなとは思います。仮にコケたとしても、社員なら食ってはいけますからね。外部の人間は、そうはいかない危機感がある」
川口春奈主演『silent』や目黒蓮主演『海のはじまり』など、最近のフジテレビ系ヒットドラマを手がけたのは、日本テレビからフジに転職した村瀬健氏だ。また、TBSで『カルテット』などのヒットドラマに携わった佐野亜裕美氏は、関西テレビに転職し、『大豆田とわ子と三人の元夫』や『エルピス-希望、あるいは災い-』のプロデュースを担当した。
もはや“ぬるいテレビ局員”が中心となったゴールデン・プライムタイムの1時間ドラマ制作は、限界を迎えているともいえそうな事態。危機を救うのは、人材の流動性なのか。