あと、あの女子高生が祠を破壊したのはマジで意味不明でした。別に大してそういうのを信じてた人じゃないのに、「守ってくれるって言ったじゃん!」とか叫びながら祠を蹴り壊している姿は、かなり怖かったね。目の前で人が死んだから錯乱して、動転して、ということにしたいのだろうけれども、「祠を壊してしまった」が大きなモチーフなわけですから、その行為そのものの動機はもっと確固たるものであってほしかったと思います。事件において「祠が壊されない可能性」を残してほしくなかった。
これがこのドラマの難しいところで、達観している興玉は別にして、それ以外の登場人物が「どれくらいオカルトを信じているか」が、かなり行動原理に影響してくることなんですよね。今回でいえばキモ杉はゴリゴリに信じているのはわかるんだけど、祠蹴り壊し女子高生はそうじゃなかったはずなんです。キモ杉に話を聞いただけで、「へえー、そうなんだ」くらいの感じだった。その彼女が急に祠を壊したからビックリしちゃうわけです。あれだけヒステリックに祠に当たるということは、逆説的に祠のパワーをめちゃくちゃ信頼していたということになっちゃうので。
ただし、制服で祠ブレイクするお嬢様女子高生という風景はめちゃくちゃ強かったので、このへんの理由付けもオッケーになっちゃってる部分はあるんですよねえ。
と、そんな感じですが、全然悪くないです『全領域異常解決室』。今回はヒルコに関係ありそうなミステリアス巫女も出てきたし、次回以降も楽しみですよ。
(文=どらまっ子AKIちゃん)