マンガの中ならいいけれど、業界もファンも、こうした現実のリング禍にはとてもナーバスです。
事故で相手が亡くなったボクサーがタイトルを獲ると、メディアはすぐに美談として扱います。「魂の乗った拳」「天国のあいつも見てる」。そうした報道に眉をしかめる者もいれば、心を打たれて涙を流す者もいます。いずれにしろ、そのすべてを見世物として提供するのが、プロボクシングという世界です。
「海里さん、人殺してるんです」
そういう設定を持ち出すのであれば、そして「殺してる」という直接的な表現を使ってしまうのであれば、このドラマはボクシングというモチーフに対するスタンスを徹底的に問われることになります。
前回、第1話のレビューで「ボクヲタはプヲタより陰湿ですからね、ナメたことすると大変ですので、そのへん気を付けてほしい」と書きました。よりにもよって、いちばん痛いところを触ってきましたので、ちょっと身構えて第3話を待ちたいと思います。
(文=どらまっ子AKIちゃん)