そんな海里くん、今回はいろいろな秘密が明かされました。バーの客だった男の子(倉悠貴)を家に住まわせていること。その男の子の紹介でカメアシのバイトを始めたことがカメラマンになったきっかけだったこと。女の子からの貢物を売って生活していること。「ヒラヤマミチエ」という人物に毎月、収入のすべてを送金していること。

 今回、ほっこーと海里くんの心情や関係性に特に変化はありませんでした。ほっこーは相変わらず海里くんのことばっかり考えているし、海里くんはアンニュイな表情でいろんな女の子たちを手玉に取っています。1話2話を使って、まずは物語を転がすための情報開示を行っているという感じです。

 今のところほっこーにも海里くんにも、人物としてはあんまり興味が持てない感じですが、奈緒ちゃんのお芝居はとってもいいですね。軽妙だし表情豊かだし、本気でボクシングにのめり込んだときにどんな顔になるのか、それは楽しみです。

 あと、天心が1話ではチンケな浮気男、2話ではケチな質屋というチョイ役をやってるのも楽しいです。ドラマなんか出てる場合かって怒られるかもしれませんけど、めちゃくちゃ練習してるのは試合見たらわかるからね。がんばれ。

■「海里さん、人殺してるんです」

 海里さんの過去情報として、同居人の男の子がデート相手のほっこーの同僚に言いました。

「海里さん、人殺してるんです」

 今回、中盤でも試合中の事故で海里の相手選手が救急搬送されるシーンが海里のフラッシュバックとして差し込まれています。

 ボクシングは相手の頭部や腹部に拳で直接打撃を与えて、その身体を機能不全に至らしめることを目的にしたスポーツです。それゆえ、往々にして重大な事故が起こるし、結果、死んでしまうこともあります。競技として成立させるためには絶対に避けなければいけないことだけど、その危険性が競技としての魅力であると喧伝されることも少なくありません。どう取り繕おうとも人が人を殴り殺していることは事実だし、『あしたのジョー』で描かれた力石徹のエピソードはあまりにも有名になりました。