先週のコラムで「フード理論」に従えば、食べ物を粗末に扱った悪党は残念な末路が待っている……と触れましたが、その通りの結果になりました。恐るべし「フード理論」。ちなみに夏目にとって最後の食事となったのは、ストロング系の缶チューハイとカルボナーラでした。夏目はせっかくのカルボナーラを不味そうに缶チューハイで押し流していました。「フード理論」的には、これもアウトでしょう。
知り合いが死んだような目で食事をしていたら、気をつけたほうがいいかもしれません。
ハイレベルなアクションが可能になった秘密
殺し屋協会に所属するメンバー同士での殺し合いは禁じられています。その禁を破った夏目を、現場にいたちさと&まひろが粛清することになりました。ここからはTVドラマ史に残る、超絶バトルシーンです。ガンアクションに格闘技/カンフーを交えた「ガンフー」の世界です。キアヌ・リーブス主演のハリウッド映画『ジョン・ウィック』(2014年)ばりのガンフーが深夜ドラマで繰り広げられます。これはもう事件ですよ。
予算も撮影日数も限られているTVドラマで、ここまでハイレベルなアクションを可能にしたのは、劇場版『ベビわる』三部作に続く園村健介アクション監督らアクション部の貢献が大です。現在劇場公開中の『ドキュメンタリー オブ ベイビーわるきゅーれ』を観ると、ハイレベルなアクションが可能になった具体的な秘密が明かされています。
池松壮亮が最凶の殺し屋としてちさまひと激突するシリーズ第3弾『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ!』(公開中)のロケ現場に密着した『ドキュベビ』ですが、スタントパフォーマーでもある伊澤彩織はもちろん、アクションの習得にも貪欲な髙石あかりも、身体能力がとても高いことがわかります。
それに加え、撮影現場ではスマホがフル活用されています。リハーサル時からキャストの動きをスマホの動画機能で撮影し、すぐその場で本人も交えて動画をチェックします。映像的に修正すべき点を、本人たちはしっかりと理解し、本番の撮影に挑んでいたわけです。