そしてここに至り、松ちゃんの不在に思い当たるのである。やはりどうしたって、自由に審査しているように見えてしまうのだ。「松ちゃんとそれ以外」だった審査員席が、5つの「個」になったように見えてしまうのだ。コメントの際に緊張を強いる人間はもういないし、仮に外してもまとめて落とす頼りがいのある男もいない。

「審査員もまた、視聴者に審査されている」とは賞レースの場でよくいわれる言葉だが、今回の『キングオブコント』はそんな審査の方向性やコメントも含めて、より楽しめるものだったように思う。

 だからこそ浜ちゃんの山内に何回も振るノリなんかがちょっとストレスだったんだけど、蒲田スタークがビシッと言ってくれたのでよかったです。

 あと、個人的にいちばん笑ったのはニッ社の全部と、ラブレターズの2本目で塚本がチャント歌いながら跳ね出したところでした。これ、書いとかないとな。

(文=新越谷ノリヲ)