ドルコスト平均法なら少しでも安い手数料の商品を選びたい

上述のように、継続投資によりかさむ手数料はドルコスト平均法の弱点の一つだ。しかし、投資初心者の入門としてドルコスト平均法を選ぶなら、または長期投資によって投資リスクを低減することを目的とするならば、安い手数料を条件に金融商品を選んでみてはどうだろうか。

従業員持株会制度であれば、会社から毎月の拠出金に対して給与控除や奨励金が出る場合もあるため、実質的にコストが相殺される。

株式の積立サービスは購入時に売買手数料が発生する。割引率や割引方法は各社で違っているものの、手数料割引サービスを利用できる場合が多い。

積立投資信託の購入時には取扱会社が定める購入時手数料(取扱手数料)と投資信託の受託会社に支払う信託報酬、換金時には信託財産留保額が必要になる。購入時手数料が無料になるノーロードの商品も増えてきたし、手数料分がキャッシュバックされるネット証券会社もあるので探してみるとよいだろう。

つみたてNISAでは、売買手数料は無料だが信託報酬は購入のたびに掛かってくる。それでも、非課税枠が設けられている上に、安い信託報酬のファンドが対象銘柄になっているので、コスト削減につながるだろう。

運用益が非課税になる個人型確定拠出年金(iDeCo)も、ドルコスト平均法の手法を取り入れている。運用益非課税の点ではどこも共通しているのが、毎月の拠出時に控除される各種手数料には各社違いがあるので、運営管理手数料などが安くなる会社を選ぶのがよいだろう。

外貨建MMFの積立サービスを利用すると、購入時手数料は必要ないが購入の都度為替スプレッドが掛かってくる。こちらも、各社の為替スプレッドを比較して、判断材料にすることができる。

実物資産に投資する純金積立もドルコスト平均法を採用した投資の一つだ。年会費や地金の保管料こそ発生しないが購入手数料が発生するので、各社の設定する手数料を比較検討してより安い手数料の取扱会社を選んでほしい。

リスク軽減のため、ドルコスト平均法でも時間と投資先の分散は大原則

リスクを軽減できるからという理由でドルコスト平均法の積立投資1本に絞り込むことは、集中投資することと同じであり投資リスクが大きくなる。多くの銘柄が組み込まれている積立投資信託であっても、積立による時間分散だけで安心せず、投資先の分散によるリスク軽減も資産運用の鉄則であることを忘れないでほしい。

例えば、株式・債券・投資信託・現預金・不動産などの異質の資産を複数保有する、同じ株式や債券でも値動きの違う銘柄や異業種の株式を複数保有する、世界中の地域に分散投資する、さらに時間分散することでリスク分散することは、投資運用において最優先課題であると心得たい。

インデックスファンドは、おのずと分散投資できる投資信託 

投資初心者でポートフォリオを構築するほどの商品知識がないという場合は、投資信託の中でもインデックスファンドを選択すると必要最小限の分散投資を実現できる。

インデックスファンドとは、日経平均(日経225)、TOPIX(東証株価指数)、NYダウ(米国)などの株価指数や、NOMURA‐BPIなどの債券指数のインデックスとほぼ同じ銘柄群を組み込み、インデックスの構成比率を変えて運用する投資信託のことである。銘柄や業種を限定することなく市場全体を対象とした投資を間接的に行うことができる。

インデックスファンド一番の特長として、インデックスの値動きに連動した運用実績となるため、運用コストが他の投資信託に比べて抑えられる点が挙げられる。そのため、信託報酬は何パーセントか、ノーロード(売買手数料が無料)のインデックスファンドであるか、換金時に信託財産留保額が発生するかなどを比較して、より手数料の安いインデックスファンドを選びたい。

個別銘柄同様に、市場の値動きにも浮き沈みがある。そのため、インデックスファンドについても積立コースを選択し、ドルコスト平均法のメリットを生かして長期間の積立投資をすることで堅実に利益を出すことを狙うのもよいだろう。

文・ZUU online編集部/ZUU online

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