「プリンセスというタイトルだと、男児へのアピールが弱い」

ということで、プリンセスであるラプンツェルよりも男性ヒーローであるライダーを前面に押し出すことにしたのだが、原作のように白馬に乗った王子様が助けにくるなんて、今時じゃない! と思ったかもしれない。ちなみにライダーは、本当に白馬(暴れ馬だけど)に乗って現れるのだ。

 ラプンツェルは長く伸びた髪を利用して昇降機のように使って人を上り下りさせたり、髪を木の枝などに引っ掛けて空中を移動したりするワイヤーアクションを披露する。スーパーファミコンのゲームで『ミッキーのマジカルアドベンチャー』(92)というのがあって、ミッキーマウスがワイヤーを使ってラプンツェルみたいなアクションを使う場面があったけど、それを彷彿とさせるなあ。ひょっとしてゲームのオマージュだったのか(絶対違う)。

 ファミリー映画なので原作の残酷な部分は極力抑えられたが、クライマックスにはえげつない描写が残っていて、単にお子様向けでは終わらせないグレン・キーンのクリエイター魂を感じたね。

 日本のアニメファンにはディズニーを無視しているようなオタクもいるけど、「塔に囚われたプリンセスを泥棒が救い出す」というストーリーって『ルパン三世 カリオストロの城』にも似ているから、オタクも差別しないで観てほしいな!