10月11日午後9時より日本テレビ系『金曜ロードショー』枠で放送されるディズニー映画『塔の上のラプンツェル』。地上波放送は6回目で、最高視聴率は同枠で2020年5月に放送された4回目で、平均世帯14.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、最低はやはり同枠で22年3月に放送された5回目の8.2%だった。
約2年半ぶりのテレビ放送とあって放送前から心待ちにしているファンも多いようだが、原作のグリム童話のストーリーを知っている人はどれだけいるだろうか。そこで、映画をより楽しむための予備知識として、原作との大きな違いを紹介する。
※以下、2022年3月25日に公開した映画ライター・しばりやトーマス氏による記事の再掲。
『塔の上のラプンツェル』は貧しい農夫の子供だった!?実は残酷な原作を大幅改良
日本テレビ系『金曜ロードショー』で放送される映画を楽しむための基礎知識、今週放送されるのは2010年公開のディズニーアニメ『塔の上のラプンツェル』だ。
ディズニー・アニメーション・スタジオ制作の作品といえば今では粒ぞろいの傑作群として知られているが、1990年代半ばから2000年代の低迷期ときたらひどいもので、『ポカホンタス』(95)『ヘラクレス』(97)『アトランティス 失われた帝国』(01)『トレジャー・プラネット』(02)……いずれもスッカスカの内容か、興行的に大失敗したとか目も当てられないやつだらけ。95年には元ディズニーの社員だったジョン・ラセターのピクサーが、『トイ・ストーリー』で世界的な大ヒットを飛ばし「ディズニーアニメは時代遅れ」なんて言われてた時もあったぐらい。
しかし本作が『ライオン・キング』(94)以来のヒットを記録、次いで12年の『シュガー・ラッシュ』、13年の『アナと雪の女王』と評価も興行も大成功の作品を連発し、低迷期を脱することに成功。『塔の上のラプンツェル』は10年代以降のディズニーアニメにとっての転換点となった作品である。