2022年に放映された長澤まさみ主演ドラマ『エルピス 希望、あるいは災い』(フジテレビ系)は、冤罪事件をモチーフにした社会派ドラマとして大きな注目を集めた。また、今年に入ってから、福岡県で2人の女児が殺害された「飯塚事件」を扱った『正義の行方』、「和歌山毒カレー事件」を扱った『マミー』というドキュメンタリー映画も次々と劇場公開されており、それぞれ話題を呼んでいる。「飯塚事件」「和歌山毒カレー事件」も、はっきりした証拠がないまま死刑判決が下されており、冤罪の可能性が高いことが指摘されている。
冤罪が疑われている事件では、それぞれ独立した組織であるはずの警察、検察、裁判所のチェック機能がいずれもまっとうに働いていない。上司には逆らえないという頑迷な上下関係によって「この事件は冤罪なのでは?」という疑問を、警察も検察も判事も口にすることができずにいる。
この国の司法システムの闇が明かされたときこそが、本当の闘いの終わりなのかもしれない。
ドキュメンタリー映画『拳と祈り ー袴田巖の生涯ー』
監督・撮影・編集/笠井千晶
音楽/スティーブン・ポッティンジャー
ナレーター/中本修、棚橋真典
配給/太秦 10月19日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開
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