10月9日(水)放送の第6話では、いよいよ「風林火山」の成否が判明します。ドラマとしてシリーズ前半戦にどんな決着をつけるのか、同時に仕事を終えたちさまひと宮原の関係性がどうなるのかが気になるところです。

 ちさまひは、宮原を前時代の遺物、パワハラからも対象外扱いされている老害としてスパッと見切るのでしょうか。それとも、業界のレジェンドとして慕われる宮原の本当のすごさを理解することになるのでしょうか。

 ちさまひの宮原への対応は、これまでインディーズシーンで活躍してきた阪元監督自身が映画&テレビ業界においてどういうスタンスで今後は仕事をしていくかを示すものにもなると思うんですよ。古い慣例が残る業界とうまく付き合っていくのか。それとも『ザ・レイド』(11年)など海外のアクション映画やコミックが大好きな阪元監督は、古い価値観をアップデートできずにいる国内の映像業界、しいては日本社会に向かって引き金を引くことになるのか。ゆる~い深夜ドラマ『ベビエブ』ですが、第6話は阪元監督の意思表明の回になるように思います。

 毎回のように「飯テロ」シーンが盛り込まれる『ベビエブ』ですが、第5話はちさとたちが手作りする「初夏の釜めし弁当」がとても美味しそうでした。炊き込みご飯の上に乗ったアジの照り焼きに、ヤングコーンや焼きカボチャが彩りを加えています。まひろが釜めし屋から強奪してきた釜めしの容器にぴたりとハマっています。

 こんな美味しそうな釜めしを苦労して用意しながら、全部捨てることになった夏目が不憫でなりません。菓子研究家の福田里香氏が提唱した「フード理論」に従えば、食べ物を粗末にした悪党は残念な末路が待っていることになります。宮原はグルメうんちくを垂れながらも、肝心の釜めしを食べ残しています。伝説の殺し屋がどんな結末を迎えるのか、今夜は注目しましょう。