野党の選挙協力が進まないうちに選挙をやれば勝てないまでも、負けを少なくできると読んでいる岸田や菅の圧力に屈して、持論とは真反対の早期解散に踏み切ったが、裏金問題議員の処遇や、高市早苗を支持する大量のグループを敵に回したことで、選挙結果によっては、早期退陣を迫られることになるかもしれない。

 文春とポストが選挙予測をやっている。ともに自民党の大幅議席減では一致している。

 文春は、政治広報システム研究所の久保田正志代表と文春編集部が当落予想をやっている。

「自民にとっては、岸田文雄政権で離れてしまった『無党派層内の潜在的な自民支持層』の票をどれだけ取り戻せるかが議席を伸ばす鍵になる。ですが、盛り上がりに欠ける選挙戦となれば、無党派層は動きません。そのため、自民党は単独過半数(二百三十三議席)を大幅に割り込む二百十九議席と予測しました」(久保田代表)

 公明党も7議席減の27議席。自公合計は244議席となり、国会運営上の安定多数(244議席)をやっと確保できるぐらいだと読む。

 逆に立憲民主党は131議席と大きく議席を増やすと見ている。

 ポストの予測はもっとシビアである。

 政治ジャーナリストの野上忠興と編集部で当落を予想している。

 すると、野党協力や候補者調整が出来なくても、自民党は「53議席減」の202議席になったという。

 その理由は、自民党支持層が自民離れを起こしているからだという。さらに野党の選挙協力がなされ、自民党への対立候補が一本化されれば自民惨敗だというのだ。

 石破が、民意に押されて、裏金議員を推薦しない、比例との重複もダメとしたから、萩生田光一のような裏金、旧統一教会との密接な関係がある議員は落選して、たとえ対立候補が有田芳生でも(失礼!)当選するというのである。

 ポストはさらに、もし石破自民党が惨敗するようなことがあれば、高市早苗が、彼女を支持する大グループを巻き込んで「倒閣」に動く可能性もあると見ている。