挙句、賢子には、「内裏にいるほうが楽しいんでしょ」と言い放たれてしまう。さすがにこれにはショックを受けるまひろ。

とはいえ、こういう反応になってしまうのは仕方がないのかもしれない。家族のために働いているが、まひろは物語を書くことを楽しんでいる。そして、少しの期間で、内裏の生活にも慣れてしまった。だから、久しぶりに帰ってきた生家も少しみすぼらしく思えてしまう。それを自身の成長と捉えるか、よくない方向へと意識が変わってしまったのか。難しいところである。

◆清少納言とご対面……!?

自分が書いた物語が評価され、仕事で一定以上の成果を出し、彰子には頼られ、初恋の人はすぐそばにいる。まひろの絶好調ぶりが伺えたが、少しずつ雲行きが怪しくなってきているように感じる。

そんなまひろのもとに清少納言(ファーストサマーウイカ)が尋ねてきた。まひろが書いたものを読んだ、という清少納言。一体、どのような言葉をまひろに投げかけるのか。友人同士だったふたりの関係は、どのように変化していくのか。悪い方向に向かわなければいい、と願わずにはいられないが……。

<文/ふくだりょうこ>

【ふくだりょうこ】

大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ