内裏に帰り、献上すると、興味深げな表情を浮かべる一条天皇。一条天皇はまひろの提案か、と尋ねるが、彰子のアイディアで、彰子自身も作業に加わっていたと聞くと顔をほころばせた。
さらに一条天皇はこの物語を読み聞かせの会を行うことに。ある意味、朗読会か、読書会か。一条天皇がまひろが書いた物語を気に入っていることがわかる。作者冥利に尽きると言ったところだろうか。ただ、第三者の手によって製本され、朗読会も行われるときは一体どういう心持なのだろう……とどうしても気になってしまう、
◆家族との団らんを楽しみたかっただけのはずなのに
冊子が出来上がったタイミングで、彰子に「里に下がりたい」と申し出るまひろ。驚きの表情を浮かべる彰子だが、娘にも会いたいし、父の顔も見たいとまひろがいうとハッとした表情を浮かべる。自分がまひろにそばにいてほしくて、そこまで考えが至らなかった、と言う彰子。
必要最低限のことしか話そうとしなかった彰子が、こんなにもはっきりと自分の思いを伝えるだなんて……と少し感動してしまう。表情もすっかり豊かなものとなっており、その変化は著しい。
内裏に戻る前には帰ってきてほしい、という彰子。まひろもその言葉にうなずいて、実家へと帰る。職場で惜しまれ、必要とされているということがよく分かる。
が、実家に帰って同じ対応をされるかというと……そんなことはない。どちらかというと、逆だ。
特に、まひろの娘・賢子の態度は頑なだ。最初からまひろに対して線を引いている印象があるし、まひろの話もあまり響いていない。
しかし、酔ったまひろは気分よく、内裏での生活を話す。職場で自分ががんばった話、周りの人から高い評価をもらったら、そりゃあ話もしたくなる。「がんばったね!」と言ってもらいたくなる。みんなに内裏での様子を知ってほしい、という気持ちと同時に、こんなに認められているのだ、と言いたかったのかもしれない。しかし、聞いているみんなの表情が冴えない。