最終的にティムが知ることになる、父・ハリーの行方も含め、日本発のゲームキャラクターたちを使って、うまく米国ならではの探偵映画になっているんじゃないでしょうか。原作のよさをまるで活かせなかったハリウッド実写版『DRAGONBALL EVOLUTION』(09年)に比べると、10年の間に日本と米国、双方の文化理解もそれなりに進んだことを感じさせます。
『ポケモン』にまつわる都市伝説
それにしても、米国人は本当にポケモンが大好きです。TVアニメ『ポケットモンスター』の初めての劇場版『ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』(1998年)は4カ月遅れで米国でも公開され、全米興収8574万ドルの大ヒットを記録しています。アカデミー賞長編アニメ賞を受賞した宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』(2023年)や山崎貴監督の特撮映画『ゴジラ-1.0』(2023年)を大きく上回る興収結果を全米で残しています。
世界中で大人気の『ポケットモンスター』だけに、いろんな都市伝説も生まれています。そのひとつは、人気ゲームアプリ『ポケモン GO』に関するもの。米国のスタートアップ企業・ナイアンティック社が、株式会社ポケモンと共同開発した位置情報ゲームアプリとして大ブームとなりましたが、実は米国の諜報機関であるCIAに利用されているという噂です。
米国のグーグル社の傘下にあるナイアンティック社を創業したのは、IT業界で伝説的存在となっているジョン・ハンケCEO。米国務省の出身で、のちにグーグル社に買収されるキーホール社の共同設立者でもあり、このキーホール社がCIAと繋がりの深い投資会社から資金提供を受けていたため、そんな噂が流れたようです。
グーグルアースを使えば、地球上のさまざまな情報を簡単に入手することが可能です。『ポケモン GO』のおかげで引きこもり生活から脱出することができたなどの称賛の声が上がる一方、『ポケモン GO』を楽しむユーザーたちの位置情報やスマホカメラのデータが、別の目的に利用される危険性もあるわけです。